UNHCRウガンダ・カンパラオフィス 古林さんからのお便り

財団学友の古林安希子さんより近況報告のお便りが届きました。

ご無沙汰しております。ロータリー学友(2016-2017年ニューヨーク・コロンビア大学大学院留学)の古林安希子です。UNHCR(国連高等弁務官事務所)ウガンダ・カンパラオフィスでの勤務も3年目を迎えました。

3月下旬からウガンダも新型コロナウイルスの影響で、学校閉鎖、国境封鎖、公共交通機関・自家用車の利用禁止、と矢継ぎ早に政府が対策や規制を発表しました。私の勤務するUNHCRのオフィスも在宅勤務となり、約2ヶ月ほど在宅勤務が続いています。国境封鎖が決まった当初は外務省からの帰国を強く勧告する連絡や治安悪化・感染が拡大した際の医療崩壊の懸念から退避するか大変悩みましたが、感染予防策と治安対策を行なった上で今も家族で引き続きカンパラに滞在しています。ほぼ自宅から出ないで過ごす日々ですが、私の住む首都では幸いなことにデリバリーが充実しているので、あまり不便なく生活しています。ただ、これは私がインフラの充実した地域に住み、在宅で仕事を続けて収入の絶えることのない非常に恵まれた立場にいるからです。

ウガンダでは感染防止のために公共交通機関・自家用車が禁止となり、医療従事者や重点産業従事者以外の人々は徒歩での移動しかできず、多くのビジネスで休業状態が続いています。ウガンダでは日雇いや道端で物を売って生計を立てていて休業手当や失業保険がなく、働けないとその日の食事にも困る人が多数おり、飢餓の心配が叫ばれています。ロックダウンが長引くにつれ、生活に困った人々による犯罪件数が増加しているとの情報もあります。諸外国からの感染者の入国を警戒して国境は封鎖されているため、原則的に出入国はできません。

私の勤務するUNHCRはウガンダに100万人以上いる、南スーダンやコンゴ民主共和国、ブルンジなどからの難民をサポートする機関です。ウガンダの実施している新型コロナウイルス対策は、ウガンダ人だけでなく難民の生活にも多大な影響を与えています。難民は日雇いや非正規の雇用で働いている人の割合が高く、貧困状態の悪化が深刻な状況です。難民居住区では接触をできるだけ減らす対策を行った上で食料配布が引き続き行われていますが、交通機関がないことで食料配布を受け取りに来ることが困難な障害のある人や高齢者などもいるため、食料を自宅まで運搬するサポートの調整などを行なっています。また、ウガンダ語や英語を話せない難民に向けて、コロナウイルスの感染経路や感染対策について、各国語で情報発信を行なっています。その情報発信も、ラジオやテレビもない人も多いので、移動車での放送や携帯のショートメッセージの発信など、様々な工夫が行われています。

難民の方々は、元々無職や不安定な雇用で生活している人も多く、家族と死別・離別して来ているひとり親家庭や子供だけの家庭もあるため、UNHCRを始め多くの支援機関の提供している食料配布・保健・教育・避難所などのサービスは生命線です。しかし、新型コロナウイルス対策のために移動は許可制、休校、5人以上の集会が禁止などの影響を受け、今まで通りのサービス提供はできていない状態が続いています。支援団体による難民居住区へのアクセスが難しい中で、難民の方々自身がボランティアとしてベーシックな保健医療を提供したり、サポートが必要な人を特定して援助団体とつなげたり、自分達より困窮している人々をサポートしたりと、様々な自発的な活動が行われているという話を聞くのは、とても心温まります。

さらに心配されるのは、国境封鎖が続いていることで紛争で命からがら近隣諸国から逃げてくる難民がウガンダに入国できない状況が続いていることです。近隣諸国からウガンダを目指して逃げて来た人々は、ウガンダに入国することができず、治安が悪く食料も避難所も十分でない国境付近で国内避難民となって、十分な支援を受けることができない状況が続いています。現状が長引くことによって国内避難民が増えること、その人々の間で新型コロナウイルスが蔓延してしまうことも心配ですが、国境が解放された時には短期間で多数の難民が流入することが予想されます。もしそのような事態になっても混乱が起きないよう、UNHCRでは他機関と連携して緊急対応の準備を進めていますが、実際にいつウガンダの国境が解放されるのか、どれだけの難民の流入するのかは未知数です。

このように、世界中に影響を与えている新型コロナウイルスは、ウガンダにおける難民支援にも大きな影響を与えています。予算が十分でない中、脆弱な難民の方々この危機を乗り越えることができるよう、UNHCRではできる限りの支援を行なっています。私の現在のUNHCRとの契約は来年3月までなので、今年は就職活動を行なう年でもありますが、職員の国際的な移動を前提として構築されている国際機関の人事制度にも見直しが起きそうなので、就職活動にも影響が大きそうです。この未曾有の事態、終息後の世界情勢が不明な状況ですが、難民の方々へのサポート提供に関わっていける道を模索していきたいと思います。

 

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